先月からスタートした「職人ほどカッコイイ仕事は他にない!」と
ホームスタッフの齋藤功社長が熱量高めに語るシリーズ。
今回は料理人と職人の意外な共通点「先読み力」についてのお話です。
『ジェイミー・オリヴァー15MM〜僕のスマートクッキング〜』(Dlife)という番組にかなりハマりました。イギリスのシェフ、ジェイミー・オリヴァーさんが神業的な速さで手際良く料理を作る番組です。料理が美味しそうなのはもちろんのこと、盛り付けもセンス良く、料理好きな人にとってはきっと面白いと思うので、ぜひチェックしてみてください!
それにしても、星の数ほどある料理番組の中で、なぜジェイミーの番組が私にとってこれほどまでに魅力的に見えるのだろう? と考えて思いついたのが…
「あ! これは職人として働き始めた頃に、先輩職人さんたちの鮮やかな動きや技術を見ながら仕事を覚えたときの楽しさにソックリだからじゃないか?」ということでした。
熟練の職人は、次から次へと仕事を仕上げていきます。とにかく作業が速い! まるで早回しの映像を見せられているような感覚です。見習いの職人は、最初は助手として手元作業をすることすら追いつけません。ちなみに「手元作業」とは、先輩職人の作業に合わせて道具を準備したり入れ替えたり、作業スペースを確保したり、次に使う材料を運んだりすることです。
熟練の職人さんから「手伝いに来てるのか!? それとも邪魔しに来てるのか!?」なんてからかわれながら必死でついて行く毎日でした。
ジェイミーが料理する工程を見ていると、まさにあの頃にあたふたしながら必死で先輩職人の作業をアシストしていた自分を思い出すのです。日々緊張の連続だったけれど、それでも熟練の技を間近で見ることができて楽しい気持ちの方がずっと優っていました。
じゃあ、見ていてワクワクしたり惚れ惚れしたりするのはなぜなんだろう? 見習いの仕事と熟練職人の仕事の決定的な違いはなんだろう? わかりますか?
それは「先読みできるかどうか」だと思います。
見習い時代、少しずつ現場に慣れてくると仕事の内容や進み具合がわかってきました。そして熟練職人さんは手作業しながら次の仕事のことを常に考えていることにも気づきました。だから熟練職人同士の作業中の会話は、常にひとつ先の内容です。当時の私にとっては、さっぱりわからずチンプンカンプン!
でもそれに気づいたときに、凄い人たちと一緒に仕事ができる喜びと楽しさを感じることができました。そのあたりから、どんどん職人という仕事にハマっていったように思います。
さて、「先読み力」つまりひとつ先の作業を考えて話すことは2〜3ヶ月でできるようになるのですが、その作業にどんな道具や準備が必要か? ということまではそう簡単には把握できるようになりません。先輩職人さんによって施工のやり方が違うので、現場に数人の先輩職人さんがいたりするともう大変!
職人になると、とりあえずアシストができるようになったり自分の作業を覚えたりするのに1〜2年かかります。そこから経験を積んで知識も増やし、先輩的な立場になって、いずれ熟練と呼ばれるようになりますが、そう呼ばれるためにはアシストしてくれる手元職人を使いこなせなければいけません。自分の作業だけではなく、他の職人に指示も出せることが大切です。そうなるにはさらに3〜5年くらいかかるでしょうか。
ジェイミーはひとりで料理を作っているけれど、レストランやホテルの厨房では、もしかすると同じような能力を求められるのかもしれませんね。自分の作業だけをこなしている段階から、俯瞰して物理的にも時間的にも全体を把握する力。どこの世界でも、それをモノにして初めて一人前といえるのかもしれません。
職人という仕事の面白さの醍醐味ってなんだろう?
日々あまりにも楽しそうに仕事をしている社長を見るにつけ、知りたいと思っていました。
なるほど。「先読み力」を身につけていく過程に面白みがあるのですね。社長も触れているように、これは企業で働くビジネスパーソンにも、主婦や学生にも必要なスキル。これから私もそのことを意識しながら仕事に取り組もうと思いました!(編集部/花摘)
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