家は30年経てば建て替えという、なんとなく常識になっている考え方。
私たちは日々建築の仕事をする中でこの常識に疑問を感じ、
建物の新しい寿命や価値がある事に気づきました。
このことを伝えていきたいと日々いろいろな角度から考え、
使い捨ての文化ではなく「持続化できる家」を創るための「知恵」をこのコーナーでお届けしていきます!
第5回目は、一軒家にお住まいの方にとっては気になる問題、シロアリについて。
害虫害獣駆除業者(有)アラキスの皆さんとのシロアリ談義にお邪魔し、
疑問をぶつけてみました。
■この季節になるとシロアリ駆除業者の広告が目立ちますね。もし訪問営業されたら、とりあえず話だけでも聞いた方がいいんでしょうか?
斉藤:う〜ん、やめた方がいいよね。説明を受けているうちに、とりあえず無料の床下点検を薦められ、さらに点検作業している姿を見せられたりして(なかなかの重労働なので)最終的に断りづらくなってしまった、という話をよく聞くから。
■ もし「ちょっと心配だな、診てもらいたいな」と思ったときは、どこに相談するのが良いでしょうか?
斉藤:こちらから相談もしていないのに、突然不動産会社やリフォーム店などがシロアリ駆除を薦めてくる場合は、もしかするとシロアリ業者からマージンを貰っている可能性がある。
アラキス・渋谷さん:そういう可能性を考えると、できれば自宅のシロアリ駆除の経歴はキチンと把握しておいて、定期的に決まったところにお願いするのが望ましいですね。
お客様のほうから不動産屋やリフォーム店に、信頼できる業者の紹介をお願いするなら大丈夫だと思います。
■ 床下換気扇を後から設置するのはシロアリ対策としては有効ですか?
渋谷さん:建物の構造によって効果や必要性に違いがあるので、リフォーム店や建築会社に相談するのが賢明です。ただ、床下は基本的には自然換気で乾燥するように作られているし、木造住宅も25年ほど前から床下コンクリートの構造になっているので、ほとんど必要性はないといえるでしょう。まあ、ないよりはあったほうがいいかもしれませんが、現代の建物ならほぼ必要ないですね。
■ 万が一シロアリの被害に遭ってしまったら、建て替えしなければならないでしょうか?
斉藤:これまでにシロアリのせいで建て替えなければいけなくなった物件には遭遇していません。基本的には必ず修繕できるはず。
渋谷さん:よくテレビなどで甚大な被害事例を紹介していますが、立地が山の隣とか、半地下構造の建物など、かなり特殊な場合だけですね。
そういう場合でも、建物の基本構造部分はコンクリートなので、建物の強度には影響ないはず。なので建て替えまでする必要はありません。
■ 新築する場合、将来シロアリ被害に遭わないためにできることってありますか?
渋谷さん:新築の場合、ベタ基礎工法(床下全体にまんべんなくコンクリートを打つ工法)であればほとんど被害はありません。家の周りにコンクリートの犬走り(建物の周りに設けられた細長い通路のような部分)などを作れば、かなり強力な防御にもなります。
斉藤:土台には防腐処理済みの木材を使い、建物内部床下の束(つか)部分(梁の上や床下などに立てる短い柱)は金属や樹脂製の素材を使うのが一般的なので、そのような仕様であれば予防としては十分。リフォームで床を直す場合も、そういう仕様に直すことができるしね。
■ そもそもシロアリの怖さや、どんな被害があるのか、もしやられると家がどうなってしまうのか、わからないだけに不安なんですけど…。
斉藤:1番心配されるのは、在来工法(タイル張りの浴室)。家の構造体に関連する、柱や土台が浴室にある場合などは、家の一部が傾いたり歪んだりするから。ただし修繕は可能だよ。
■ シロアリの種類は色々あるんですか?
渋谷さん:ありますね。
関東にいるヤマトシロアリは、水漏れなどで腐った木だけを食べるので、被害箇所は部分的です。
最近の温暖化の影響で西から移動してきた家シロアリは、自分で水を運んで木に水を含ませて食べるので、広範囲な被害が出ますが、これも関東ではまだ件数は少ないです。
アメリカカンザイシロアリというのが一番厄介。乾燥した木も食べてしまうので、ジメジメしているところだけ気をつければいいわけでもありません。大きな被害は西の地域でしか発生していませんが、このタイプのシロアリが大発生した場合は建て替えが必要になると聞いています。神奈川ではまだほとんど事例はありません。
■ 最後にシロアリについて不安に感じている方にメッセージをお願いします。
渋谷さん:シロアリはキチンと対処しておけば、それほど怖い存在ではありません。被害を受けるのが見えない部分だけに、家主の恐怖心を巧みに利用する業者が多いことが残念で仕方がないです。
斉藤:グレーな業者が多く、工事店ではなく営業専門の会社が存在するのもよくない。不安を煽っているな…と少しでも怪しく感じたら、すぐに結論を出さずに信頼できる相手に相談してほしいです。
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